原題：DEATH CAR ON THE FREEWAY
本編時間：90分
制作年：1979年
制作国：アメリカ
監督：ハル・ニーダム
脚本：ウィリアム・ウッド
撮影：ボビー・バーン
音楽：リチャード・マーコウィッツ
出演：シェリー・ハック　ジョージ・ハミルトン　フランク・ゴーシン　ピーター・グレイヴス　ハリエット・ネルソン　バーバラ・ラッシュ　ダイナ・ショア　ハル・ニーダム　モーガン・ブリタニー
紹介：
『激突！』再び！？今後のターゲットは自立した女性たち！奴は女性に恨みがあるのか−出口なき高速道路でカメレオンのように色を変える恐怖のバンから逃れる術は無い。事件の謎を追う美しきジャーナリストに迫る運命の車輪！
フリーウェイで女性ばかりが被害に遭う、謎の事故が続発。被害者たちは皆、同じバンに追い立てられたらしい。ジャーナリストの女性は自らオトリとなり、犯人を追跡しようとするが…。というお話。監督は『メガフォース』（82）や『トランザム』シリーズでカーアクションものを多く手掛けたハル・リーダム。世間的には、ジャッキー・チェンのハリウッド進出失敗作『キャノンボール』（81）を撮った人という不名誉な扱いを受けることもありますが、本作ではカーアクションとミステリーを融合した今までにない映画の構築に成功しています。カントリー・ミュージックをかけながら獲物を狙う犯人（ターゲットは選別しているので、邦題の「皆殺し」はおかしいんですが、そこはまあ）の造型も見事。犯人の顔を最後まで見せないのは『激突！』（71）の二番煎じと言われればそれまでですが、ホラー作品として観れば、『ハロウィン』（78）や『13日の金曜日』（80）等の「マスク殺人鬼もの」の一種と捉えることもできます。車を凶器にするという点では、同様の連続殺人者が登場する『デス・プルーフ』（2007）より28年も早い！たった一台のバンを恐ろしい殺人鬼に変貌させ、面白い映画を作り上げる手腕は現代の若い映画作家にも学んでもらいたい作品です。