原題：A CASUALTY OF WAR
本編時間：96分
制作年：1989年
制作国：イギリス
監督：トム・クレッグ
脚本：マレー・スミス
原案：フレデリック・フォーサイス
製作総指揮：マレー・スミス　フレデリック・フォーサイス　ニック・エリオット
撮影：クリティアーノ・ポガニー
音楽：ポール・チハラ
出演：デビッド・スレルファル　シェリー・ハック　アマンダ・バートン　リチャード・ホープ　クラーク・ピータース　ナディム・サワリヤ
紹介：
リビア−かつてこの地には悪魔の独裁者がいた。
米空軍による爆撃への報復としてカダフィ大佐は基地を提供しているイギリスへの報復を計画。果たして英国情報部はカダフィの野望を打ち砕く事ができるのか！？-フレデリック・フォーサイスが原案を書き下ろしたポリティカルアクション。政治色の強いアクションものはえてして退屈しがちで睡魔に襲われる事も多い。しかし本作にそれはない。96分によくぞまとめたコンパクトな上映時間、ゲスト俳優にTV『チャーリーズ・エンジェル』のシェリー・ハックを配する等、難しい政治テーマをいかに娯楽作品へと昇華させるかに智恵を振り絞ったスタッフの苦労が偲ばれる。監督のトム・クレッグは『非情の指令・スパイ！』や『S.A.S.　英国特殊部隊』等、スパイや特殊部隊を描いた映画を多数演出しており、英国TV界にはなくてはならないベテランである。主役のデヴィッド・スレルフォールは近年出演した『ホット・ファズ　俺たちスーパーポリスメン！』でその健在ぶりをアピールしている。
本作（1989年製作）から22年経った2011年、カダフィは怒りの民衆により打ち倒され、独裁政権は崩壊した。しかし彼によってもたらされた悲劇を忘れてはならない。我々は後世の人々にこの悲劇を語り継ぐ必要がある。その為にもこの映画を繰り返し観て、人間の持つ邪悪な本性と常に向き合い続けねば。
【注】本編中にカダフィ大佐は一度も登場しません。御了承ください。